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あんのこと の映画感想(2024-6-7鑑賞)

あんのこと ネタバレなし映画感想

河合 優実主演とのことで鑑賞してきました。

今や飛ぶ鳥を落とす勢いの女優さんですが、過去作を振り返れば…

と、どの作品も感慨深いものばかり。

そして今作「あんのこと」に至っては、また別の顔を持つ河合さんがそこにいて、顔はやつれ人生に疲れ切った目をした少女がスクリーン内に佇んでました。

ほんと、この女優さんは凄い。

重苦しい空気に引き込んできます。

毒親からのDV、強制された12歳からの売春、なし崩しに売春の客に誘われた覚醒剤。

汚い大人に汚された「香川杏」の人生は冒頭から凄まじいものでした。

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二人の大人の男性による救いの手


薬物依存から救い、仕事の斡旋、毒親から批難させる為の住居の確保など、二人はまるで彼女を家族に迎えるように接し始める。

漢字が書けない彼女に漢字の書き方を教えたり、ラーメンを一緒にすすったり、カラオケに誘ったり。

佐藤次郎演じる、粗雑で面倒見のいいおっさんがとてもリアル。

つばを地面に吐き、でかい声で誰にでも人当りがいい性格はまさに昭和にいた男そのもの。

稲垣吾郎演じるジャーナリストは、冷静かつ人の行動に気が付くまさに記者気質。

そして心の底に隠す正義感はあらゆる事に疑問を投げかける。

頼れる大人が現れ、新しい生活を続けていくうちに、少しづつ彼女の目に光が戻っていく。

だが、やがて訪れる「大人の事情」により、再び彼女の心の壁が崩れていく。

観ているこちら側も、同調し空しさと怒りが溢れてきます。

なぜこうなるんだと…。

人生の兆しとは…

この物語はやがて、コロナ禍というあの年月がやってきます。

コロナ禍と言えば、誰しもが辛い時期でした。

仕事を失う人もいれば、学校に行けない子供もいて、先行きが見えない苦しい毎日。

「香川杏」もその一人でした。

終盤に差し掛かる頃、そんなコロナ禍の中、突然起こるある出来事に彼女は心の癒しを得る事ができます。

でもそれは、誰しもが得られる者ではなく、彼女自身の優しさから来る癒しでした。

そして、流れるエンドロール。

きっとこれは泣ける物語だと思っていましたが、泣けるというよりも…

怒り…なぜこうなったのだという怒りだけが湧いてきました。

というわけで今作、劇場で観るべきかどうかですが…

  • 河合 優実演じる「あん」の存在にリアルを感じられる。
  • まだ数年もたっていない「コロナ禍」というあの時がフラッシュバック。
  • 同じ世界だとは思えない、壮絶なる人生を年齢問わず観るべき。

以上くろいぬでした。

 

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