タイトルはマッドマックスで、主人公はメルギブソン。
そんな世代の自分ですが、あの頃がすでにセンセーショナルな内容だっただけに、それ以上超えないと思っていたシリーズ最新作は、今の時代だからこその進化を遂げていました。
ジョージ・ミラー監督、80歳に行くか行くまいかの年齢でこの想像力はどこから湧いてくるのか…。
炎のデスロードは個人的にラスボスがあっけなさ過ぎて最後に萎えた感想でしたが、フュリオサは前日譚なのに、過去の話を完璧に塗り替えた最高傑作になっておりました。
もう一度観たい。
あの世紀末をもう一度。
ちなみに、マッドマックスシリーズは全部で5本連作が続いており、時系列を辿れば以下のような流れになります。
マッドマックスサーガの公開日と時系列
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- 1979年公開 マッドマックス
- 1981年公開 マッドマックス2
- 1985年公開 マッドマックス/サンダードーム
- 2024年公開 マッドマックス:フュリオサ
- 2015年公開 マッドマックス 怒りのデス・ロード
配役でみると以下のように変化しています。
ちなみに怒りのデス・ロードに登場するフュリオサはシャーリーズ・セロンが演じております。
シリーズが長いだけに配役が次々変っておりますが、世界観は作品ごとに進化しているので崩れることなく安心して観ることができます。
さすがに今、メルギブソン時代のマッドマックスは古臭すぎて推せるかと言えばなんともですが、ジョージミラー監督のセンスがその頃から際立っていた事は確かです。
もし今のフュリオサを観て、過去作を追いたいのなら是非観る事をおすすめします。
複数の改造車が並走し、爆風の中を疾走するカーアクションは健在どころか進化していた!
広大な砂漠を、パンクな改造車が砂煙をあげて走る光景はおなじみ。
ですが、フュリオサにいたっては、息をつかせない、手に汗握るというベタな言い回しがとにかく似合う。
あるシーンでフュリオサが輸送車の底に張り付くシーンがあるのですが、そのシーンは頭がおかしいレベルで展開されます。
とにかく、世紀末で砂だらけのこの世界だからこそ、そうなったのか!と言わしめる設定の数々。
- 車の部品が壊れれば、あらゆる手段で調達し即取り付け。
- タイヤの跡は残すなが鉄則。丘を越えたら追手が来てるか即チェック!
- ガソリンは大切!命より大切に。
そして、なんといっても多種多彩な攻撃手段に脱帽。
大型トレイラーに襲い来る、悪漢の集団。
爆発する手槍、破壊力あるショットガン、空から迫るジャイロキャプテン(マッドマックス2)を彷彿するオートジャイロによる爆弾投下。
カーアクションと言えば、最近だとワイルドスピードシリーズしか思い浮かびませんが、現代劇にはないジョージミラー監督のカーアクションは唯一無二なのです。
これを劇場に観に行くだけでもお釣りが帰ってくると思いますよ!
マッドマックスサーガの覇権を握る世紀末覇者達。
前作の怒りのデス・ロードでは「イモ―タン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)」が敵として登場しますが、今作では新たに暴走バイク集団のリーダー「ディメンタス(クリス・ヘムワーズ)」が登場し、しかも過去編としてもイモ―タン・ジョーも登場するわけで、三つの勢力がぶつかり合う展開。
イモ―タン・ジョーは、今作でもおなじくV8最強を唱え岩砦シタデルを拠点とし、女性を沢山囲いハーレムで子作りに励む。そしてジョーを信仰するウォーボーイズという戦闘兵達のすでに居ました。
なぜ、怒りのデス・ロードではそうなったのかを今作で繋がりを確認することができ、前作の登場人物達の過去がこのフュリオサでだいたい理解できます。
この映画のいい所は、怒りのデス・ロードをフュリオサの前に観ても、後に観てもいいという所です。
新悪役のディメンタス(クリス・ヘムワーズ)の存在
「レディー!!」
とマイクで叫ぶクリス・ヘムワーズが印象的なバイク集団のリーダー「ディメンタス」
寡黙なジョーとは違い、よくしゃべる、ヒャッハー!度数の高い存在であり彼の乗るチャリオット式バイクがどこかマヌケでかわいい。
まるで馬の手綱を握るように操作をしているのだけど、どういう構造なのだろうか…。
そして彼の過去に何があったのか…。
熊のぬいぐるみが印象的で幼きフュリオサに近づく姿はどこかしら優しさもある。
終盤では、そんな彼と対峙するわけだが、お互いにケジメをつける姿はどこかしら切ない。
個人的に推したいキャラ「警護隊長ジャック」の存在
この映画を観て一番好きになったキャラが「ジャック」です。
演じているのは「トム・バーク」というお方。
フュリオサの相棒となる存在ですが、ようやく自分なりの正義と男気を持つ男が登場。
寡黙で思いやりがあり、とにかくかっこいい。
この人主役でもいいんじゃないの?と思わせるくらいに。
というわけで今作、劇場で観るべきかどうかですが…
- ワイドスクリーンで広がる砂漠でのカーアクションバトルはテレビサイズには収まらない。
- 独特な世紀末の世界観とファッションは大画面で観るべき。
- フュリオサがなぜ義手なのかを即知ってほしい。
以上くろいぬでした。